平成30年度 第3学年 「臨床手技実習入門Ⅲ」概要
【実習期間】 平成30年4月11日~平成30年6月13日までの毎週水曜日
【試験日程】 平成30年6月13日(水) 筆記試験及び実技試験
【評価方法】 プレテスト、実習態度、筆記及び実技試験により評価
【使用テキスト】 『医学生のための基本的臨床手技』(診断と治療社)
            監修 奈良県立医科大学医学部長 車谷 典男
               奈良県立医科大学附属病院 古屋 仁

1.実習について
 (1)テキスト『医学生のための基本的臨床手技』を用いて事前学習すること。
 (2)実習開始時時刻には必ず集合場所で待機していること。
 (3)真摯な態度で臨むこと。出席、服装、態度について厳しく評価する。
 (4)一部オリジナルビデオを作成し、大学のホームページより閲覧可能にする予定です。
   閲覧可能になれば、教務システムにて通知します。

2.実習方法について
 ※別紙参照

3.筆記試験について
 テキスト及びグループワークの課題から出題

4.実技試験について
 (1)試験手技
   A.IVR(画像下治療)
   B.成人気道管理
   C.動脈採血と動脈ラインの留置
   D.心臓病診察
   E.直腸診と浮腫判定
   F.泌尿器科手技
   G.小児救急疾患処置
   H.成人救急疾患処置
 (2)試験方法
   ①試験手技A~Hのうち、1~2科目を受験します
   ②どの項目を何番目に受験するかは実技試験当日に発表します
   ③試験当日の詳細は、後日教務システムで通知します
 (3)出題範囲
 テキスト及び実習の内容
  ※試験当日は、試験室はもちろん、控え室においてもテキストの持ち込みは認めません

5.自主練習について
 (1)開放日時
   ①6月 6日(水)9時から18時
   ②6月 7日(木)9時から18時
   ③6月11日(月)9時から18時
   具体的な日程及び時間については、教育システムで通知する
 (2)場所
   実習場所と同じ
 (3)指導日
   指導日は別途設けていません。実習時間中に積極的に先生に指導を仰いでください
 (4)自主練習のルール
   ①安全には十分注意すること
     針や除細動器など、使用方法を誤ると、自身のみならず周辺の人にも危険なものがあります。練習時も常に
    緊張感を持って臨んでください。万が一トラブルがあった場合は、すぐに教育支援課まで連絡してください。
   ②備品は大事に使用すること
     みなさんが練習で使用する備品はとても効果です。数十万から数百万円するものもあります。大切に使用して
    ください。万が一、破損や紛失した場合は、必ず教育支援課に連絡してください。例えば、超音波画像診断装置
    のプローブは1本100万円以上し、とても繊細で、少しの傷で使用不可になります。
   ③節度をもって消耗品を使用すること
     消耗品の数には限りがあります。新しいものを次々と開封せず、繰り返し使用できるものは複数回使用して
    ください。
   ④退室の際は片付けをし、使用前の状態に戻すこと
   ⑤誰も使用していない時は、電気とエアコンを切ること
   ⑥時間は厳守すること
 
【臨床手技実習 -標準的学習法-】
(1)学生
  ・その手技のテスト予習
  ・プレテストの受験(受験者は当日発表)・・・・・・各人4回
  ・Pair work sessionの模造紙1枚(A3判×3枚)・・・提出
  ・後片付け
 2.インストラクター
  ・プレテスト9回分の作成・・・・10分で終了する程度
    穴埋め5題
    単語:和英5題、英和5題(巻末から)
  ・学生の実習態度評価
  ・手技の伝達教育/supervise/模範手技/講評と評価
 3.教育支援課
  ・サブグループ分け
  ・pretestの準備

(3)評価
 ・プレテスト
 ・pair workの模造紙
 ・実技実習と筆記試験
 ・自主練
【本学における臨床手技実習の進め方】
A.背景(最近の出来事を時系列で)
 1.スチューデント・ドクター制度の導入
   2014年度から「全国医学部長病院長会議」が共用試験合格者(参加型臨床実習を行うに足る十分な知識・技術・
  態度を身につけていると認定)をStudent doctorとして認定し、SDカードを発行して、本来医行為が認められて
  いない  医学生に、実習の範囲内で医行為が行える認証(違法性の阻却事由)を各医療機関が与える制度として
  導入された。
 2.医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)
  G臨床実習>G-4診療科臨床実習>G-4-4シミュレーション教育
  ねらい:医療安全の観点から臨床現場を想定した環境でシミュレーションによるトレーニングを積むことで、実際の
       臨床現場で対処できるようになる。
  教育方略:①シミュレータを用いて反復練習することで、臨床技能を磨く
 3.医学系大学間共用試験実施評価機構医療系OSCE実施小委員会・自己評価解析小委員会
  (平成29年1月26日)「診療参加型臨床実習に参加する受験生に必要とされる技能と態度に関する学習・評価項目」
 4.厚生労働省・文部科学省「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」(2017/10/20)
  1.共用試験実(CBT、OSCE)を公的なものとする
  2.診療参加型臨床実習の実質化を図り、Student Doctorとして学生が行う医行為を法的に担保する
  3.国家試験を抜本的に見直す。すなわち、国家試験への出題は診療参加型臨床実習に即したものに限定し、CBT
   との差別化を明確にする
  4.1~3が確実に実施されれば、必然的に臨床研修の在り方も大きく変革しなければならず、臨床研究を卒前教育・
   専門医研修と有機的に連動させるべく、その内容を見直す必要がある

B.目的
  1.患者安全(patient safetyの態度を養う
  2.医師になることの自覚を高める
  3.臨床参加型実習のための臨床手技の基本を学ぶ
  4.基礎医学の大切さを認識する

C.基本方針
 1.一年生から学年進行性に実施
  1)適切な課題設定:医学知識、難易度
   「全てを学んでから手技」ではなく、「少し自習をして手技をして深く学ぶ」
 2.事前学習の徹底
  0)教材は「医学生のための基本的臨床手技」(診断と治療社)と大学自作DVD
  1)手技実習に必要な医学的知識の自習
  2)使用する機器類の使い方に関する知識の自習
  3)形成的評価の実施
   ・「医学生のための基本的臨床手技」の穴埋め
   ・専門用語単語試験:合計450語程度
 3.active learningの積極的導入
  1)teaching is learningの実践
  2)pair work learning
 4.総括的評価試験の実施
  1)医学的知識に関する試験・・・「医学生のための基本的臨床手技」から8割分を出題
  2)手技実習に関する試験・・・必修手技につて実施

D.実施方法など
 1)グループ分け等(別紙参照)